いつも思うことがある。
- 一晩中歩くというプログラムを最初に実行したのは誰なんだろう。
- 周りは暗闇なので風光明媚ではないし、眠いし、足は痛いし、寒いし、おなかはすくし・・・。
- けど、なぜか毎年行う。
- 6月9日(土)天気曇り、時々雨。気温、ちょっと暖かい。気分は・・・ちょっと不安。
- 40周年記念式典や学校行事の関係で延期に次ぐ延期でなかなか実行できなかった夜間ハイキングがやっと実行することが出来た。
- 18時。阿見町役場。時折小雨がぱらつく中、ボーイスカウト16名、ベンチャースカウト3名、ローバースカウト2名のスカウトが集合した(写真1)。
- コースは阿見役場を出発して、牛久運動公園、牛久自然観察の森、牛久大仏、阿見運動公園、そしてゴールの阿見役場の全行程34kmという近年としては若干長いコースとなった(写真2、3)。
- ここで、コース設定者のベンチャー隊長の言い訳を聞いてもらいたい。実は、このコースの企画段階でローバー隊長がいろいろとわがままを言ってきた。ローバー隊長は、あそこに行きたい、ここに行かせたいという設定者泣かせなことを散々言ったのである。
- その要望をすべて聞き入れた全行程は、なんと48km。それをローバー隊長の先輩という特権と君たちスカウトたちのことを想ったベンチャー隊長は、ローバー隊長を脅す、説得する、泣きをいれる・・・で何とか34kmまで縮めたのである。なんてやさしいんでしょぅ!ベンチャー隊長は!
- さて、開会式終了後、出発を決めるゲーム。ゲームは「和音」。5文字の単語なら、1人が1文字、5人で一度に5つの語を叫び、その単語は何かを当てるというものである。
- 練習後、本番。答えは「オダ ヤスシ」。そう去年のスワロー班の班長である。
- トップは、ハヤブサ班。これは早かった。イーグル班がそれに続く。で、スワロー班は・・・。
- 結局、スワロー班は答えられず、あまりのショックに「スワロー」を返上して「ツバメ」班(仮)と改名することとなった。
- 7時10分。ハヤブサ班出発(写真4)。10分おきにイーグル班、ツバメ(仮)班が出発。そして30分後、つまりトップより50分遅れてローバー、ベンチャー合同班の出発となった。
- 出発して早速の一報。一班が行方不明とのこと。
- 不安顔の団委員長。かなり余裕のボーイ、ベンチャー、ローバーリーダーたち。数々の場数を踏んでいるリーダーたちはどちらかというとウキウキ顔である。
- 第1チェックポイント、ふれあい本郷センター近くの路上。まだまだ元気なスカウト(写真5)。
- 残念だがまだ何も起こらない。例年に無くかなり静かな序盤である(実は、この間に某ベンチャー副長から歩き方について一喝されていた・・・らしい。)
- 第2チェックポイントの牛久運動公園へ。ここまでは、とりあえず無事にコースを辿っているようだ。
- このチェックポイントを通過した直後に、またしても事件発生。ここで、また一班が行方不明。といっても知っているのはバイク部隊(部隊構成人数1名)のみ。というのも牛久運動公園から下根中学校までのコースが暗くて怖いのである。スカウトは班で行動するからいいだろうけど、たった一人のバイク部隊は怖くて一人でその道に踏み入れるなんてとても出来ないのである。ということで、ひとり別ルート・・・・。ふと見ると、何故かいるはずの無いスカウトが歩いている。迷ったらしい。ちょっと偉そうに教えるバイク部隊。けど、怖かったからオンコースは行けなかったなんて事は絶対に言わないバイク部隊。だって、本当に暗くて怖いんだもん。
- という、恐怖を味わったのはバイク部隊だけではなかった。各班ともやはり怖かったにちがいない。しかし、彼らは強かった。恐怖に負けずにコースを歩いてきた(写真6)。結局、暗闇に負けたのはスワロー1班だけであった。
- その後、川沿いコースを一路、自然観察の森に向かう。ここで、アクシデント発生。
- なんと、下見の時にはあった道が工事のために閉鎖。新たな道を探すスカウト。
- 周りは暗闇である。何処に道があるか見当が付かない。そんなときやはりやってくれた。
- スワロー班の班員数名が田んぼの中に軽くダイビング。予想はしていたがまさか本当に・・・\(^O^)/。
- その報告を聞いた飯塚隊長が
- 「これを期待してコース設定をしたんだろう。ベンチャー隊長もやるね!」
- ・・・(^◇^;)。
- 何とかフェンスを突破して、全班ともオンコースへ復帰(写真7)。ここからはひたすら長い土手道である。単調な道、新入隊員は眠さのピークを迎えていた(写真8)。
- 第3チェックポイントの「牛久自然観察の森」。ここで小休止とトイレタイム。ちょっと小雨が続くようになってきた。このくらいの雨じゃ夜間ハイクは、当然、続行なのだ。
- さて、先に進むと、また土手道に出る。長く伸びた草を掻き分け前に進むスカウト。ここでまた、問題が。
- 草が伸び過ぎているのである。伸び過ぎといってもベンチャー隊長の身長ぐらいまで伸びているのだ。ここを掻き分けて進めとはさすがのベンチャー隊長も言えず急遽コース変更。といってもスカウトの腰ぐらいまではある草むらを掻き分けて第4チェックポイントのある408号線沿いの寺に向かった。(写真9)
- この頃には、時計は2時を過ぎていた。スカウトたちの疲労は第一次ピークである。そろそろ無口になり始めてきた。ハヤブサ班を除いては・・・。
- 第4チェックポイントでは、定番キムスゲームのあと軽食ととる(写真10)。さすがに食事をすれば少しは元気になる。半分は過ぎた。次は牛久大仏だ。
- このあたりからスカウトもリーダーも疲労の色は隠せない。各班とも足取りがかなり重くなってきた。この頃から、半分寝ながら歩くスカウトが続出。しかし、誰も足が痛い、頭が痛いと言うスカウトはいなかった。こんなことはここ10年ぐらいではじめてである。素晴らしいの一言である。
- 夜も明け始めたころ各班が、続々と第5チェックポイント牛久大仏へ到着した(写真11)。もうチェックポイントの課題どころではない。各スカウトとも倒れこむように仮眠をとる。
- ここで、ハプニングが発生した。なんとベンチャー隊長が行方不明になったのである。荷物はあるのに本人がいない。怒って帰ってしまったのか、はたまたどこかで倒れているか。
- リーダーたちは必死で探す・・・いや、探してくれるはずなのだが・・・。誰も探す気配すら見せることなく、当然のごとく各リーダーは次のチェックポイントへ移動。おーい、これってハプニングだよなぁ・・・・。
- さて、では、ベンチャー隊長は、いったい何処にいたのか。実は、ローバー隊長の車の中で仮眠をとっていたのである。移動のために車に戻ったローバー隊長は当然ベンチャー隊長を発見。そして、ベンチャー隊長を引きずり降ろし一言、冷たく言った。
- 「バイクで来てくださいね」
- 夜明けの風は、疲れた体と心に冷たく流れていくのであった。
- 最終第6チェックポイント、阿見運動公園である。さすがにみんな無言である。ただ、ただ歩くだけ。
- ここでの課題が、夜間ハイキングの感想を俳句もしくは川柳にするというものだ。
- 出た出た、恨みつらみの数々(阿見1掲示板のゴールのところに書かれている)。
- けど、その気持ちわかるよなぁ。
- 僕もスカウトのときそうだったね。
- ゴールの阿見役場。トップはスワロー改めツバメ班(仮)。2位がハヤブサ班。そして7時10分、最後にイーグル班が到着した。
- 各班とも満身創痍のゴールであった。
- 優秀班はスワロー改めツバメ班(仮)。すべてに卒が無かった。惜しかったのがイーグル班。一番チームワークは良かった。そして終始元気だったのがハヤブサ班。
- みんな良く完歩した。本当によくがんばった。飯塚隊長の目には密かに涙が光っていた。
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- 暗闇というのは、不安はあるが気持ちを高ぶらせてくれる。
- 不思議なもので、このコースを一人で歩けといわれたら絶対に歩けないだろう。
- 班という仲間がいたから歩けるのだ。不思議とそういうものなのだ。
- 一度ローバースカウトの時、一人で夜間ハイキングのコースを歩いた時があった。はっきり言ってつまらないし、ただ不安なだけであった。
- そして、夜明け。太陽が少しずつ昇っていく。身体は疲れているのにだんだん元気になっていく。体の神秘を感じる瞬間である。
- 仲間もそうだ。仲間は友達とは違う。友達はただ楽しいだけの集まりだ。仲間は目的を持ったグループだ。だから喧嘩もするし、楽しみも心から分かち合える。つらさや苦しさを一緒に乗り越え、協力してやり遂げることで、本当の仲間になれる。そして、仲間と共に味わった達成感は、仲間のつながりをさらに強くしてくれる。そして仲間のおかげで自分に自信が湧いてくる。自信が次のチャレンジを求め、繰り返すことで、それが仲間の絆になっていく。
- 今回、夜間ハイキングを完歩したメンバーは仲間だ。楽しいことも、つらいことも、苦しいことも乗り越えた仲間である。
- 仲間は一生仲間である。
- そんな仲間を多く作ったら今まで以上に人生が楽しくなるような気がする。
ぷはぁ〜っ!!
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↑写真1
↑写真2
↑写真3
↑写真4
↑写真5
↑写真6
↑写真7
↑写真8
↑写真9
↑写真10
↑写真11
↑写真12
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