第7回オゲ下り 川の藻屑大作戦!



隊長〜っ!! また「沈」ですか〜ぁ?
いいや、自然と会話してるんさ! なぁミワ!!

・・・・那珂川は隊長にだけ冷たかった!

オゲ下り終了後の記念撮影なのだ。

(後列)◆中島・◆五味田・◆野島・◆杉浦・◆伊藤・◆磯
(中列)●吉田・◆種田・◆小田倉・◆望月・◆海老原・◆金井
(前列)●ミワ・◆うらら(撮影:長谷川、サポート:吉川)

 1999年12月4日(土)〜5日(日)。今回は総勢16人の大所帯での那珂川オゲ下りである。

 4日朝快晴、気温氷点下1℃。今回は前回の教訓から日中の漕行時間を十分に確保するために、水戸IC出口に午前8時の集合となった。

 しかし早速隊長から「取手地方大雪で視界0、遅れる」との連絡が入る。時間までに集合した面々は口々に「またか」「今回も沈するぜ」「15分遅れなら、前回は2時間だもんな・・・」と好き勝手のたまっていた。そして到着予定より5分早い10分遅れで隊長と種田が到着した。残るは遅刻大魔人の金井だ。しかし前回の8月の「のほほんオゲ下り」では、1時間前に集合という離れ技を出してきたこともあり、油断がならない。が、やはり今回は隊長到着からしっかり5分遅れの8時15分にうらら&ミワを連れて到着。ここで、今回初出場の日連需品部・望月氏と金井の奴隷ミワちゃんがみんなに紹介される。ご対面を済ませて、オゲ2ナギラの先導で計9台のオゲ車は一路烏山に向かって出発した。

 今回の参加者は、OGM吉田隊長、OG1海老原、OG2中島、OG3杉浦、OG5磯、OG8金井、OG9織田倉、OG11種田、OG0五味田、OG13うらら、OG14野島、OG16伊藤、OG3814長谷川、OG末席吉川、OG隊長付望月、OG候補ミワの総勢16名。一行は国道123号を御前山へと向かった。途中桂村の「道の駅かつら」脇のセブレブで昼食をおやつを仕入れがてら、川の様子を見る。今回は初回と同じで水の量は少ない。出発地をどこにするかを検討するが、とにかく現地に行かなければわからないという結論に達して先に進むことにする。

 県境の那珂川橋手前を右折して県道を烏山へと向かう。途中で何カ所かで止まって水量と水流を確認しながら今夜の宿泊地である烏山○○公園に到着した。ここは那珂川河原にあるフリー(だと思う)の公園で、園内に水道も簡易トイレもあり人家からも離れておりなかなかのロケーションのところなのだ。今回は河川工事のために河原に降りる道に若干の難があったが、特に問題はない。ここで各自出航準備を整えるのだった。

 そして5台の車に分乗して、出発地点に向かう。車の距離計でだいたい10〜15キロの地点を目指して走り、出漕しやすいところを探す。結局出発地点となったのは馬頭町の向田付近で公園がある河原となった。早速昼食をとりながらファルトボートの組立だ。

 今回の出走艇は、カナディアンが第一弥栄丸、第三弥栄丸、第五弥栄丸、ファルトボートがノーティレイ、フジタ、ファルホーク(いずれも二人艇)とフェザー(一人艇)のキャパ13人である。更に今回は地上部隊&国際救助隊としてOG14野地のダットラが出動するので、そこに2人の計15人でオゲ下りを展開する。末席吉川は明日の地区コミ会議の資料づくりのため図らずもここで帰還となった。そして前半・後半の2区間に分けて全員が乗れるようにという隊長の暖かい配慮のもとでオゲ下りを実施することになったのだ。

 まずは組み合わせで一悶着。だれだって今回のテーマ「川の藻屑」にはなりたくない。しかしバディを決める権限は隊長にあり、我々には意見することは許されてはいない。末席吉川が人数を数えられず艇数と乗船者が混乱するのだが、最初のメンバーが次のように決まった。

艇 名最初のバディ沈直後のバディ交替後のバディ
地上部隊五味田・伊藤長谷川・野地
ノーティレイ隊長・ミワ隊長・長谷川隊長・伊藤
フジタ海老原・うらら杉浦・野地中島・五味田
ファルホーク織田倉・望月織田倉・望月
フェザー
第一弥栄丸杉浦・長谷川海老原・うらら海老原・うらら
第三弥栄丸中島・野地中島・ミワ杉浦・ミワ
第五弥栄丸金井・種田金井・種田

今回の漕行区間図はこちら

この組み合わせは、この中で(自称)ベテランの部類に入る隊長、海老原、中島、杉浦の艇に女性&初心者を乗せて、とにかくその艇だけは「沈」を回避する作戦をとったのである。あたりまえだけど他の艇のことはなーんも考えてはいない。ちなみに関係はないが今回、海老原&中島は地区コミ会議を、長谷川は環境委員会をさぼって・・・・いや参加を断念しての参加だ(県コミ、環境委員長ごめんなさい)。

 さて、最初は順調であった。今回の那珂川は初回の時と同じように水量が少なく、至る所に浅瀬が出現している。この浅瀬をいかに素早く見極め通過コースを見つけて乗り切るか−−−−が今回のオゲ下りのポイントになるようだ。今回下る区間は川幅が広くなっているので、初回のような急流はないようである。たまに出てくる瀬も1〜2級程度のなんちゃないもので、各艇とも最初こそは緊張したものの、5分もたたないうちに「緊張」の「き」の字はどこかに吹き飛んでしまったようで、「のほほん」まではいかないが「しゃななななーな(ボッキッキを知ってる人ならわかるべぇ)」の軽快なリズムで下っていくのであった。

 そして3キロほど下ったところで、今回の難所?の1つの3級の瀬が出てきた。ここは川の真ん中に巨大な岩があって水流が二分されている。右が川の本流となっており、その瀬は本流の岩とぶつかるトコロにあった。そこでそいつは「おいでおいで」をしているのだ。しかしながら水の流れを見てコースをしっかりおさえれば何ら難しくはない1発限りの「ワンポイント瀬」なのである。岩の左のコースは、ちょっとした激流下りになっていたようだ。磯フェザーと第五弥栄丸の二艇がこのコースに進び奇声を発して喜んでいた。他艇は本流をちょっと緊張しつつも各艇素晴らしいテクニックで何なく通過・・・・・・のハズだった。

 のだが・・・・何を血迷ったのか、隊長艇が慣性ドリフト走行状態で真横からその瀬に突っ込んだからたまらない。艇を立て直す間なんかあるワケもなく「あ〜れ〜ぇっ」と瀬に揉まれ、あっという間に敢えなく「沈」のお決まりのパターンとあいなった。ミワちゃんは楽しく水中遊泳し、隊長はミワの帽子とバトルを必死に回収し、自分のおろしたてのポロの帽子を那珂川に捧げたのであった。この段階で他の艇はすでに先に行っており、残っていたのは最後に漕行していた織田倉・望月ファルホーク艇だけである。さすがに笑って通過はできなかったらしく救助&見物に向かうのだった。這々の体で陸にあがった隊長は、当然のコトながら奴隷織田倉を着ているモノを有無も言わさず見物料として奪い、着替えのないミワちゃんに与えた。あわれ織田倉はこれからの区間悲しくもTシャツ1枚で下るハメになってしまった。まぁこれも奴隷のさだめである。しゃんめぇ〜。

 これが今回のオゲ下り唯一の「沈」であった。しばらくして下流のみんなが待っているところに現れた隊長は「ノーティレイは喫水が浅い」だの「隊長としてみんなを盛り上げた」だのあれこれなんやかんやと言い訳を10発ほどのたまっていたが、背後からのミワちゃんの視線が冷〜たかったのを隊長以外は知っている。当然のことながら同情は彼女に集まり、隊長は何を言おうとも単に一笑に伏すされるだけの存在に成り下がったのだ。実に女は得である。これが男だったら更に突っ込まれて、挙げ句は再度川に投げ込まれていただろう。

 ここで、この「沈」の評価を決定する「沈評定会議」が当事者である隊長&ミワを除く者たちで行われた。協議の結果は当然「粗沈」。他にここで沈している者がいないことからも、当然の判定であろう。沈初体験のミワ(もう「ちゃん」づけではなくなっている・・・)はあれで「粗沈」なのかと非常に不満そうであったが、「撃沈」のレベルはあんなもんではない。それがいかに凄いものかが予想できたにちがいない。ほんとかな。

 さて、隊長に不信の念を抱いてしまったミワのために、ここで当然メンバーチェンジとなる。ここから隊長艇には、副長海老原の特命を受けた長谷川が乗り込み、一番安定している(と思われる)中島艇にミワが乗ことになった。ここまでで川を読み切った海老原はフジタを捨てて手慣れた第一弥栄丸にうららと共に移動、結果杉浦と野地がフジタに乗ることになった。この間に他のメンバーは我れ先に自艇を確保しさっさと出漕していくのだった。なんで? そりゃ、隊長艇に乗りたくないためでしょう・・・・。そして地上部隊との合流地点まで更に2キロをあわれ長谷川は戦々恐々と、他の面子は悠々と下るのであった。

 さて、地上部隊との合流地点で再度メンバーチェンジを行う(上記表を参照)。一番リスキーな隊長艇には、当然のごとく最年少のOG15りす伊藤に乗船命令がくだる。ここで本部艇第三弥栄丸のキャプテンが中島から杉浦に移り、杉浦&ミワチームとなる。どーもミワはたらい回しにされている・・・と思うのは私だけなのだろうか・・・? そしてフジタには中島と五味田の黄金の「史上最短の沈」コンビのが乗り込む。五味田の冷たい視線はひしひしと感じていたが、これが名誉挽回のチャンスとばかり、無理矢理乗せてこぎ出すなぎら@中島なのであった。

 ここからは「のほほんコース」かと思ったが、いきなり複合瀬が出現。弥栄丸軍団はイケイケ精神で瀬をモノともせず突っ込んでクリアしたようであるが、ファルトチームは大事をとって各艇ともポーテージを選んだ。・・・・が降りた浅瀬が問題だった。ここで隊長&伊藤艇と中島&五味田艇が下車地点選択に失敗、ポーテージに手間取り他の艇から大きく取り残されてしまう。ドツボにはまった両艇であったが、隊長&りす艇の方が条件が若干良かったのか先に脱出に成功。中島&五味田艇は犬の死体やら魚の死体やらをかき分けて中靴を水没させて必死になって脱出を試みる。そして隊長に送れること5分、無事に出漕に成功。しかしすぐその先にはトドメの2級の瀬が待ちかまえていた。体勢を整える間もなくその日最長の瀬に突っ込んだ中島&五味田のフジタ艇にはいつものことでスプレーカバーはしてい。そのため瀬の中でバウンドしているうちに返しのないコーミングを越えて水がドバトバと入ってきてしまったのだ。五味田はバイク用の防水カッパの上下を着用していたため濡れずにすんだが、たかをくくってジーンズなぎら@中島は艇の中にたまった水に半ケツ水没でびしょ濡れとなってしまう。沈はしなくても十分に沈状態を味わうことができて喜んでいた。が、さすがに耐えきれなくなって水抜きのため上陸。その間に隊長艇が遙か先にぽつんと見える他は、どの艇も視界から消え去ってしまっていた。

 その後は大きなトラブルもなく各艇とも順調に下る。ここでまた別の問題が発生した。そう各艇とも現在地が解らないのだ。だれひとり地図を持っている者はなく、事前にチェックしたのはなぎら1人なのである。そのなぎらにしたって「川が曲がっていた」程度の記憶しかないため、いつになったら着くのか、上陸地点はどこなのか・・・・全く解っていなかった。それ以前に各艇ともフォーメーションなんて考えは全くなく好き勝手にそれぞれのペースで下っていくのだ。日連から発売されているビデオの第4巻アドヴェンチャーの川下り・・・・あれはウソである。そのあたりもオゲ隊らしいよなぁ。今回はたまたまゴール地点が宿泊地でそこが目立つところだったからいいようなものの、まったく大ざっぱ・お気楽な一行である。

 最後の直角カーブには流木やら障子やにゴミやらがたまっていて、流速との関係でそこを回避するのにテクを要するところだったが、ここは全員見事にクリアした。最後は川幅が狭くなって流速が増したところでゴールとなる。流されたらすぐ下流には岩が群れをなしているのだ。さすが隊長の沈をより効果的にするために、隊員達は手堅く接岸を決めるのだった。こうして明るいうちに全員無事(?)に目的地である烏山にゴールした。漕行時間4時間半、漕行距離約12キロの第7回オゲ下りであった。

 今回もやはり隊長の「雪辱」は晴らせず、やはり屈辱の「雪辱戦」になってしまった。隊長の晴れやかな&さわやかな笑顔を見るのはいつのことになるのだろうか・・・・・・・・。

 その後車を回収し、着替えをして設営にかかる。毎度のコトながらさすがあっという間にできあがっていく。いつ見ても気持ちいいもんだ。しかも今回は発電機という文明の利器を持ち込んでいるのでサイトがとっても明るい。オゲ隊も文明開花の波は徐々に訪れどんどん侵されてきている。別にオゲ下りは不便を楽しんでいるワケではないので、アメニティ・グッズで準備できるものはどんどん使う。これは単に物量作戦というワケではない。確かに以前はそれぞれのキャンプ等で便利グッズを多量に持ち込んだ時期もあったが、今は最小限で最大の効果をあげる装備に代わってきている。

 さてその後、長老連(吉田隊長、海老原副長、望月隊長付)とオゲレツレディース(五味田、うらら、ミワ)は買い出し&温泉へ行ってしまう。残った面子で付帯設備の設営&料理の下ごしらえをするが、待てと暮らせど隊長たちは帰ってこない。設営はとーの昔に終わってしまい、焚き火をはじめるが体はどんどん冷え切っていくのだ。そこでやむを得ずその辺りに落ちていた(?)生牡蠣を焼いたり、末席が差し入れてくれた酒に手を出し、次第にその辺にある食い物を手当たり次第に次々と平らげていくのであった。しかしそんな程度で満たされるノーマルな腹の持ち主たちではない。しかもオゲ下りの直後ときている。食えるものは少なく、空腹と寒さにじわじわと追い込まれた残された隊員達の精神状態は今やブレイクのピークに達しようとしていた・・・・・・とその時、買い出し&温泉グループが体中から石鹸のいい匂いを漂わせて帰ってきた。時刻はすでに8時をまわっていた。
 「実に2時間もいい思いをしてぬくぬくとしてきやがって」
帰ってきた6人を見つめる隊員達の目は冷たかった。そしてあたり一面に一触即発の険悪な空気が漂って・・・・・(おや?)いなかった??。やはりオゲ隊における隊長・副長の権力は絶対である。それが長い奴隷生活の杉浦を筆頭に隊員の体と心にしっかと奴隷魂が染みついているのだった。かなしいー。

 それから隊長の号令のもとで、晩餐の準備が始まった。そしてよーやく晩餐にありつけたのはなんと10時を回っていた。本日のメニューは「沈」で有名な「吉田とチンひと」シェフの豪華絢爛抱腹絶倒七転八倒フルコースである。「焼き牡蠣のワイルド風味」「煮込みハンバーグ明太オゲ隊風」「ホワイトソース餡かけスパゲッティ」「那珂川風マグロのカマ焼き」「勝手にパエリア・としちゃんVer.」その他である。それにうらら&ミワの差し入れたチーズとワインを加えて、烏山那珂川川原自然公園はいよいよ酒池肉林の宴と化していくのであった。そして今夜のハイライトはオゲ隊野外シアターである。そこで今日のドキュメントビデオと先のカブ・ビーバーラリーのビデオを鑑賞。思わずあの辛くも充実した日々、大会当日の子供達の輝いてうれしさが弾けんばかりの顔、そしてやり遂げた喜び・・・・・等々を思い出し、涙涙の上映会となったのでした。空を見上げたら満点いや満天の星。そのまま気持ちよく就寝。あっちでガーガー、こっちでゴーゴー、烏山那珂川川原自然公園にオゲ隊いびき混声合唱団の歌声が静かに?響く・・・・・・・・・・・・。

 翌日は午前中撤収。新入&奴隷が夕べ帰ってしまったので、OG5磯上班を中心に撤収作業がテキパキと行われる。そしてオゲ隊旗となった「氷旗」に「沈者」の記念サインをして、各種委員長会議に参加する吉田隊長と海老原副長は12時前に、残った9人は、午後1時に現地で解散となった。今回も例に漏れず、とてもたのしいオゲ下りとなったのであった。

 ・・・・・・・・・・と、言うことで、今回の「沈」は、隊長艇ただ1艇。悲惨にもその餌食となったのは今回初出場のミワちゃんであった。オゲ隊旗への記念サインにも「洗礼」と書いていたってことは・・・・・めでたくOG21号の誕生なのである。おめでとう&大歓迎。




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