スクリーンテントのLDK

竹で作った十字ペグ

食卓つくり

クーラーBOX置き場作り

炊事場

荷物の運搬

ソリとバスケットネットの使用例

バスケットネット

クーラーボックスは保温庫

 

第1回目の雪中キャンプで、素人に毛が生えた程度の「雪中キャンプ」の知識と技能しか持たない我々阿見1ベンチャー隊は、なぜかたまたまた雪中キャンプが滞りなく展開されてしまうという幸運に恵まれてしまった。そのため、まぁ図に乗ってしまったわけで、みんなの心には、確実に甘えが芽生えそれはどんどん大きくなっていったのだった。

そんな翌年。この年は雪が少なかった。

その年も昨年に引き続いて雪中キャンプを行うことがスカウトたちによって決められていた。ただし、交通手段を提供してくれる隊長の仕事のスケジュールから、隊長のスケジュールが取れ次第実行するという、まぁ、自分たちだけでやろうという気持ちはさらさら無い連中でもあり、実施日が決まらない中、皆はただただ何の準備もせずに、連絡担当Kスカウトからの連絡を待っていたのであった。

・・・と、いきなり電話が鳴った。

 「明日、朝6時にキャンプ場集合!」
との電話連絡(当時は携帯電話すらない)が回ったのは、前日の午後10時すぎだった。
  「!!?」
そんなこと突然に言われても対応できる訳がないだろう、ふつうは。しかし、そこは阿見1ベンチャー隊。ただ1人を除いて翌日朝6時にきっちり集合してしまうんだからすごい。実は1週間前に隊長からはKには連絡は入っていたのだが、Kの単なる怠慢(前々日まで試験だったとは本人の言い訳)による連絡の遅滞であった。唯一対応できなかったのはMスカウト(今のM隊長)である。

かくして、一行5人(A,S,I,B&N)は蔵王に向かったのであった。

蔵王と言えば、樹氷である。深々とした雪原である!! 雪洞を掘って、イグルーを作って、ソリのコースを作って・・・と楽しいプログラムを描いていた我々はびっくりした。

 「え、、、雪、これだけ???」
ほとんど積もっていないのだ。まぁよく考えれば、そのはずである。樹氷があるのは日本海側の山形蔵王、ベンチャーが決めたのは太平洋側の宮城蔵王、かつて日本ジャンボリーが行われた?「国立花山青少年自然の家南蔵王野営場」だった。そんな基本的なコトもリサーチすることなく、ただ「蔵王」には「樹氷があるんだから雪はたくさんあるハズ」と勝手に思い込んで行き先を決めていたのだ・・・。まぁ、いつものことだ。(ベンチャー達の名誉のために付け加えると、この当時は、インターネットが始まったばかりの頃で、今のようにネットで何でも検索できるって環境では無かったのである。)

しかし、この野営場の職員はとても親切で、我々の最低の要望を満たす場所に案内してくれた。そこは吹きだまりで30cmほどの締まった積雪のところだった。
 車はサイトから30mのところまで乗り入れられ、歩いて10分のところに体育館があり、トイレ、水は自由に使ってよく、クロスカントリースキーもタダで貸してもらえるとのこと。至れり尽くせりであった。

そんなこんなで、またしてもほとんど苦労もしないで雪中キャンプが始まってしまった。

サイトは固く締まった雪なので、圧雪も整地も必要なし。万一の時には逃げ込める体育館もある。林の南側なので北風もそれが防いでくれる。いいことづくめである。

設営が終わり、夕食の準備にとりかかろうとしたとき、その日の炊事当番のSが

 「あ・・・・!」
と悲痛な声を上げた。みんなが振り向くと

 「大事なモノを忘れた」
・・・と。なんと忘れたのは七輪だった。


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 では、第1話につづいて雪の中でのキャンプ生活について説明していこう。

 

寝泊まりはもちろんテントであるが、それでは、食事はどうするのか。

食事のとり方(どこで食べるか)なは、2つの方法が考えられる。大人数の場合は、外に食卓を作って食べる。少人数の時は、テント内で食べる・・・である。

我々は、スクリーンテント(スクリーンタープではなく、もっとしっかりとした作りのもの)を持っていった。ちょうど8畳の大きさのものだ。張る場所をの雪を踏み固めてその上に張った。このテントの構造上、ドームテントよりも風に弱く、屋根に積もった雪は落ちてこないものであるため、大きめのブルーシートをかけて、屋根と風上側を覆った。これで、積雪対策とスクリーンテント内の防風はOKである。しかし、それだけの大きさとなると張り綱をきちんと張って補強しなければならない。しかし雪ではふつうにペグを打ってもほとんど効かない。そこで竹とポリロープで十字ペグを作り、30cmほど穴を掘ってそれを埋め雪をかぶせるという方法を使うのだ。竹を十字に縛ったロープの片方の端は、雪上に出してS字フックをつけておく。そこにテントの張り綱を繋ぐのである。

十字ペグは、竹でなくてももいい。今はスノーアンカーなんてものも売られているし、ジャンテン用のペグでも、その辺りの棒きれでもいい。我々は回収できなかったときのことを考え、また竹は団キャンプ場にふんだんにあるのでそれを利用したわけだ。この十字ペグの威力はスゴイ。特に竹は平たいので、なおさらしっかりと固定される。これでスクリーンテントはOKだ。

このように数人程度のキャンプであれば、スクリーンテントや2ルームの大型テントでもいいが、大勢のスカウトが参加するキャンプとなったら、きちんとした食堂を作らなくてはならない。大昔のスカウティング誌に出ていたものを紹介しよう。

先にイメージを示す。簡単に言えばマーキーがすっぽり入る穴を掘って、そこにマーキーを入れる。そのときマーキーの屋根だけが穴の外に出ている・・・っていうものだ。屋根の代わりにブルーシートを屋根にして、その両端(軒)は、雪の壁の上にまで広げておく。その更に先に十字ペグの代わりの一本角材が入る穴を掘り、角材をブルーシートのハトメを紐で結んで角材に雪をかけて埋める(その資料ではスキーを使っていた)。さらにそのブルーシートの両端の上に雪を載せ、風が入らないようにする。穴への出入りは、マーキーの短辺に階段を作ってそこから出入りする。これをきちんと密閉してしまうと、先に述べた一酸化炭素や二酸化炭素の問題がでてくるので、すきま風が多少は入るようにすることが肝心だ。(このイメージのものもあったと思うんだが、見つからなかった。)

続いて、リビング&ダイニング&キッチンを作る。

今のスカウト達は、食卓と言えば竹で作ったり、一般のキャンプ用品として売られているものを思い浮かべるだろう。私がスカウトの頃には、地面に穴を掘って食卓を作った。そのやり方は、鍋釜や全員の食器が置けるだけの地面(60cm×180cm:スカウト8人)を決め、その周り1周に幅30cm、深さ30cmほどの溝を掘るのである。真ん中がテーブルで、掘った溝に足を入れ、その周りに座る。今、地面を掘って・・・なんてことをキャンプ場でやったらタイヘンよろしくないが、雪中キャンプではタイヘン有効だ。その理由は、まず第一にタイヘン作りやすいこと。そして作っても地面に影響を与えないから。

リビングの間取りは自由。間取りのポイントは動線。そしてモノの効率的な配置とそのスペースの確保である。写真のようなスクリーンテントの場合、調理の火をウォール(壁布)に近づけないこと。3回目の雪中キャンプで、穴を空けてしまった。直ぐにガムテープで穴をふさいだが・・・。

 

作業の道具は、2種類のスコップとソリ、そしてブルーシート。

雪中キャンプでは、無雪期のキャンプよりもはるかに多くの開拓作業が発生する。それは、雪を掘ったり、運んだり、積んだりであるが、そのために必要となるのがスコップだ。できたら、1人1本は持っていきたい。必要なスコップは先の尖った剣先スコップと平角スコップ。特に雪の作業に対しては平角スコップが役立つ。雪掻き用のポリカーボのスコップも使えるが、雪中開拓はハードな作業なので、しっかりした作りのものでないと直ぐに壊れてしまう。先の尖った剣先スコップは、第1話で出てきたトイレを作るときに必要となる。
 そして、掘り出した雪を運ぶのに役立つのがソリ。掘り出した雪は、その周辺に捨てるのではなく、ちょっと離れたところに捨てることになる。そうしないと、その他の作業の邪魔になるのだ。そのための運搬手段が必要となり、それにはこのソリが役立つ。もちろん、単に運搬するだけであれば、他の専用のものが適しているのはあたりまえ。しかし、多くのグッズを持って行けない雪中キャンプでは、荷物を運ぶ、遊ぶ、移動の際にかさばらないといった、この多機能のソリがいいのである。そして荷物を運搬するときに絶対必要なのが「バスケットネット」。ゴム紐を網状に四角く編んで、フックがついたもので、よく自転車のカゴから荷物が落ちないようにかぶせておくアレ(ひったくり防止ネットとも言うらしい)。それで、荷物をソリに固定するのだ。今のところ、それ以外に有効な固定方法をみたことがない。

では、ブルーシートは何に使うか。こいつはいろいろと役にたつ。安価なペラペラのではなく、水色ではなく、青色が濃いしっかりした作りの、表面がなめらかなものがいい。テントにかけて着雪&積雪を防止したり、屋外に置いてある装備にかけて積雪対策にしたり、雪洞を掘ったときの掻きだした雪の搬出に使ったり、そりの代わりに斜面を下ったり、大物装備を載せて運んだり・・・と多種多様に使える便利グッズである。数枚持って行くといい。

また、無雪期のキャンプであれば、サイトに放置したものは、直ぐに見つかるが、雪中キャンプでは、雪が降ろうモノなら全てが雪に覆い尽くされてしまい、どこに何があるか分からなくなってしまう。なので、整理整頓はきちんとしなくてはならない。前述のようにまとめて、ブルーシートをかぶせるか、タープやテントの中にきちんと整理して入れて置くことが大切だ。

また横道にそれてしまった。ハナシを元に戻そう・・・。

 

食卓を作る&使う場合の注意

まず、食卓の表面は平らにするが、食器の熱で表面が溶けて凹みができる。これはこれでいいが、固められたところが溶け始めたときには当然摩擦が少なくなり、結果、滑るのだ。熱い汁の器が滑って落ちて脚に火傷をする・・なんてこともあった。それ以上に怖いのは、足を置く床になる部分が溶けて滑ること。熱い汁を持ったまま転んだら、回りの人を火傷させてしまう。意外とこれらのスリップが多発する。そんな時に役立つのが、クリアファイル(A4版)+ダンボール(A3ん版程度)+木ねじ(4〜5cm×4本)で作るスパイクプレートだ。これを食卓の上に置き、その上に鍋や食器を置く。作り方はクリアファイルにダンボールを半分差し込み、その上から木ねじを突き刺す。突き刺した面にフタをするように、ダンボールを折り返しテープか輪ゴムで留める。そのスパイク面を雪に刺して置く。これだけで安全が確保される。嵩ばらず、重さもわずかしかないので、パックの片隅に入れておけばいい。

ナベなどの重さがあるものに対しては、適当な小枝(親指太)を取ってきて、ナベがすっぽり入る2〜3段の井桁を作る。それをナベを置く所に置き、内側の角のところに短い棒を雪に刺して固定する。2つ折にしたダンボールを井桁の中に敷いてからナベを載せる。これでナベが固定できる。枝が手に入らなかったら、ペグを正方形になるように刺してそのペグの紐を巻いていく。要は置いたナベが滑り出さないように押さえつけておくということ。

床の3−15スリップ対策は必要だが、真面目にそれ考えると更に装備が増すので、とりあえずスコップを刺して雪をざくざく状態にするか、ダンボールの切れっ端を敷いておくか・・・しておこう。

 

続いて炊事。

炊事は、単に寒いというだけで普段のキャンプとさほど変わらない。

注意することは、冷たくなった金属に不用意に触ると皮膚が金属に張り付くこと。濡れた手で触ると本当にピタッとくっつくので、包丁も木の柄のものがいいかも。また、寒さで手がかじかんでいるので、刃物を持ったとき十分に気を付けることぐらいかな。

また、クーラーボックスは必需品。これは冷やすためじゃなくて、モノを凍らせないために使う。冷やしたいモノは雪の中に入れておけばいい。野菜など凍らせたくないモノをクーラーボックスに入れるのだ。クーラーボックスも接地(雪)面は滑りやすいので、深さ10cm程の穴を掘って、その中にクーラーボックスを収めておくといい。

それから、包丁やおたま等は、雪の上に置かずにダンボール箱やコンテナなどの容器に必ず入れること。直後に使うからといってその場に置かないように。ダンボール等で包丁が入る大きさのケースを作ってまな板のそばに置いておこう。

それから、水。水は凍らせないように管理することが大切。水の貯蔵にはポリタンクを使うのは無雪期のキャンプと同じ。しかし、炊事場にそのまま一晩放置すると確実に凍って使いたいときに使えなくなる。夜は、テントに入れて置くことだ。置く場所は枕元がいいらしい。

「水なんか、雪を溶かして水を作ればいい」って思っているとしたら、それは止めたほうがいいと思うよ。正直言って、雪は汚い。それに雪を溶かすのには相当な燃料が必要だってこと、知ってるかい?

我々はよく七輪と練炭を使う。それを使って、やかんで常にお湯を沸かしておくのである。常にお湯があるということはとても便利である。温かい飲み物がほしければ、直ぐに飲める。やかんに手をかざせば暖がとれる。煮炊き用に使えば燃料の節約になり、洗い物も温かいお湯でできる。冷え冷えとする中、やかんの口から湯気が出ているだけで気持ちが落ち着くのだ。

煮炊きの熱源は、七輪のほかストーブ(コンロ)を使う。燃料としてはホワイトガソリンがベストだが、手軽に手に入るカセット式ガスコンロも捨てがたい。しかし、この手のガスコンロはガスが気化することが前提で作られているので、気化できない温度(気化熱による温度低下も含む)だと役に立たない。ガスのコンロには、寒冷地用とかハイパワーとかの表示があるもので、それを用意する。ブタン→イソブタン→プロパンガスの順に寒冷地性能が高くなるが、さらにパワーブースターと呼ばれるガスボンベを温める装置を使うと安定した炎となるだろう(氷点下5℃程度の冬期キャンプではパワーブースター付のカセットガスコンロを使っているが、全く問題なく使用できている。しかし、-20℃での使用経験はまだないので・・・・)。

 

それから、食料とメニュー。

短期間であれば、できるだけキャンプに行く前に、家などで材料の皮を剝いたり、切っておいたりと現地での調理での手間をかけないようにしておくとよい。それは、余計なゴミを出さないということでもある。長期となると、現地で購入することになる。近くに食料品スーパーがあればいいが、なければ全ての食材を持っていくしかない。

さて、メニューだが、それを考えるポイントは、「手軽」「体が暖まる」「トイレが近くならない」「材料の使い回しがきく」「メニューを育てられる」を考えて食料計画を練るとよいだろう。

で、雪中キャンプの食事といえば「鍋」に限る。とにかく、鍋に切った材料をぶちこみ、味を調えたら出来上がり。これに勝るものはない。なぜこんな簡単なメニューがいいのか? 氷点下での炊事の辛さは、経験者にしかわからない。茨城の平地での耐寒キャンプの比ではない。炊事当番は地獄を見る。そんな中、簡単・美味の鍋は本当に素晴らしいベストなメニューなのだ。他にはシチューかな。あれも簡単だけど、次に示すような「メニューを育てる」はちと難しいな。

 

ここだ、メニューを育てることについて考えてみよう。

例えば2泊3日の雪中キャンプだと、初日の夜はちゃんこ鍋。ご飯は炊かずに鍋にうどんを入れて腹を満たす。朝食はご飯を炊いて、七輪で鮭を焼いて、鍋の残りは汁物にする。他のモノは洗っても、鍋だけは洗わない。昼はどこかに遊びに出かけるので、朝におにぎりを作っておく。さて、夜は、前日のちゃんこ鍋に水を足して、更に具を入れて、味付けを味噌味に変更し、豚肉の脂がたっぷり出る「バラ肉」をこれまたたっぷり入れる。最後に「キムチの素」(私は「桃屋」派)をどばっと2瓶くらい入れる(あ、鍋の大きさは直径30cmほどある大鍋だ)。このように次から次へと鍋を育てて行く(変化させて成長させる)のである。水炊き→醤油味→味噌味→キムチと段々と味を濃いものにしていく。そう、キムチ鍋は最後でなければならない。寒いからホントにキムチ鍋はありがたい。最初からキムチ鍋をしてしまうと、ずっとキムチ鍋が続くハメになる。鍋の変化は逆進行ができない、一方通行なのだ。それほどキムチ鍋は強烈だが、まーそれもいいだろう。主食はご飯でもうどんでも、餅でもなんでも合う。
 こんな、雪中キャンプにもってこいのキムチ鍋だが、ひとつ問題になることがある。それは・・・鍋はこたつを囲んで食べるもの!という観念が強い我々は、テントに中にその辺にあるものでこたつらしきものを作ってしまい、その真ん中にカセットコンロを置いてキムチ鍋を頬張るのだ。もちろん酸欠には十分注意する。やはりみんなで囲んだ鍋は旨い。その結果、テントの中にオレンジの雪が降り、しばらくの間「キムチテント」になってしまうのは前述の「第一回」に書いた通りだ。


 行動食と非常食

これは、雪中キャンプだけでなく登山などでもお馴染みのモノ。雪上の行動は、普段の活動よりもカロリーの消費が多い。ある調査によると、雪中キャンプの消費カロリーは3,600kcal/日だとか。そのため、行動食で頻繁にカロリーを補給することが大切。チョコレートは他の季節だと溶けてしまうのでちょっと遠慮してしまうが、雪中キャンプではそんなことがないので、これもチョイスできる。おススメだ。

非常食も必ず準備しよう。晴天だけとは限らない。吹雪もつらいが地吹雪はもっとつらい。なんどかスキー場で地吹雪に遭遇したけれど、本当に真っ白なのだ。天地・前後・左右すべてが。自分が宙に浮いているっていう感じなのだ。当然、前に何があるかわからないので動きたくても動けず、また雪が刺さって痛くて、思わずその場にしゃがみ込んでしまうほど。いつ止むかわからない地吹雪の中で途方に暮れる、25歳?の冬であった。まぁ何とか這々の体で駐車場に辿り着き、全身雪まみれのまま車に乗り込み(雪を払うどころじゃないのだ)、エンジンをかけ暖房をMAXにして、一息つく。次第に溶け出した雪でシートは湿ってくるがそんなことは気にならない。スキー用のグローブはしていても手はかじかみ、耳当てをしていても耳は凍り付き、鼻の穴からは溶けた雪だか鼻汁だか分からないものが流れ落ちる。とにかく乾いたタオルで濡れている所を拭きとって一段落だ。
 もし、あのまま、あの場所に居ざるを得なかったら・・・・どうしていたんだろう。いまでこそ、スキーで雪に穴を掘ってビバークできるな、なんて思うが(「私をスキーに連れてって」参照)、実際にその現場であのものすごい地吹雪に遭ったらなすすべはない、って思えてしまう。・・・でハナシは戻るが、そんなとき非常食を持っていると命が繋げるのである(大袈裟な・・・)。ちなみに、地吹雪の時は車の運転もできない。なんせ、道が見えないんだからねー。

 

 

 

雪中キャンプ

-20℃でタラリラッタ、リッタラッタ、ラッタッタァ!

 

第2話 蔵王の峰でゴメンナサイ。