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ちかいとおきてを平仮名で表す理由
「ちかい」と「おきて」が平仮名である理由
世界中のスカウト及び指導者がこの運動に加盟するときに誓ったこの「ちかい」は、この運動の基本的な精神です。
この「ちかい」は、自分自身に対して誓います。目上の人、服従を強いられた人、自分を庇護してくれる人、ましてや、組織とか機関とか社会とか国とかに対して誓うのでは決してありません。ましてや他から強制されるものではありません。スカウトが「自発的に名誉にかけて」誓うもので、それはスカウトの一生を左右するほどの力を持ちます。
この「ちかい」は、スカウトの自主的なものでなければなりません。自主的にさせるために隊長は、スカウト(指導者)が「ちかい」をたてる前に、その意味についてしっかりと話し合うことが大切です。伝える・教えるのではなく「話し合う」のです。話し合い、それを理解すれば自主的なものとなり、自分の意思で「自発的に名誉にかけて」誓うのではないでしょうか。
また、スカウトが「名誉にかけて」誓うこの「名誉」とは、端的に言えば「信頼される人である」ということです。「信頼に値する人」とは「責任を果たす人」であり、「誠実な人」なのです。「信頼される」ということが「名誉」になるわけで、「スカウトは信頼されることを名誉とする」しているのです。このように、スカウトにとって、名誉が何にもまして重要な位置づけとなっています。自分の尊厳、そして同時に他の人々の尊厳こそが人間の根源であり、そこを出発点としています。
スカウトたちは、指導者から信頼され、その信頼に応えようと一生懸命努力をします。この信頼関係から指導する場合の心構え(リーダーシップ)と、その指示により活動する場合の心構え(フォロワーシップ)が体得されます。また、任務を分担し仲間同士協調し合うことから友情(フレンドシップ)が築かれます。
さて、まだ日本が、旧仮名使いの時代に、現在の「ちかい」は「ちかひ」と表記されていました。「ちかひ」の「ひ」は、古語で「霊(たましい)」を意味することから、「ちかひ」は霊(たましい)に誓う、約束よりもっと厳粛で自分の魂に誓うことなのです。また、「ちかひ」の「ちか」は、「霊にちかづく」ので「ちかひ」とも言われています。これらの理由にわり、漢字ではなく平仮名で表しています。スカウトのちかいの本来のあり方を正しく日本に移入し、築き上げた先人の英知に感嘆を新たにするとともに、ちかいの実践に邁進したいものです。
ちかいは、神(仏)・国・ボーイスカウト連動(自分が信じる絶対者)への務め、社会へ(同胞へ)の務め、自分自身への務めであり、上下、優先順はなく、ひとつ、ひとつ、ひとつ、といずれにも自分のベストをつくすぞ ! と誓うのです。
カブスカウトの「やくそく」やビーバースカウトの「やくそく」も基本的な精神は同じです。その内容については、この年代のスカウトが、その年代で身につけておくべき大切なものであり、在り方で、それを基にして「ちかい」へと繋がっていくのです。
「おきて」は、スカウトとして日々の生活していく上での物差しとして、自分の全ての行動の指針となるものです。
この「おきて」は「ちかい」とともに、スカウト運動の基礎となり、あらゆる活動の底流となっています。
「おきて」は 8つの項目からなっていますが、いずれも法律や規則のように「○○すべし」とか「○○してはならない」などという表現は使っていません。
「スカウトは誠実である」のように全ての項目が「である調」で表現されているところにスカウト運動の特徴が見えます。つまり、これは本人の積極的な意思表明であり、自分自身に対し「自分が在るべき姿」を確かめているわけです。*
日本連盟初代理事長の 二荒芳徳(ふたらよしのり)氏は、「おきて」とは、心のおきどころの『おき』と方向を示す『て』という言葉組合わせたものであると言われました。
「おきて」は、他律的な意味の濃い「掟」ではなく、自分の心のおきどころの方向を示す積極的で前向きなものであると位置づけています。そのため、「ちかい」と同様に漢字ではなく「おきて」と平仮名で表しています。こう書くことで我々スカウトの心をあらわしているのです。
また、「おきて」には、主文のほかに副文が添えられています。この副文は、主文の簡潔な表現を正確に捉えるためのもので主文と一対をなすものです。ですから、主文とともに副文も併せて理解することが必要です。
この運動に主体的に関わる者として、「ちかい」と同じく「おきて」も、ボーイスカウト以上のスカウト及び全ての指導者が自ら順守べく努力し続けることが大切です。
*について、 B-P(ベーデン-パウエル:ボーイスカウトの創始者) は著書の中でこう述べています。これは極めて
含蓄がある言葉です。
「力の及ぶ限り」「自分の名誉にかけて」実行するスカウトのちかいとスカウトのおきては、われわれを結びつけ
ている訓育上の力であり、100人のうち99人については、この力は役立っている。少年は「するな」によって統括さ
れるのではなく、「する」によって導かれていく。
スカウトのおきては、彼が間違いをしないように阻止するものとしてより、むしろ行動の指針とするために考案さ
れたのである。それは模範とも言うべきスカウティングに期待される在り方を示しているに過ぎない。」と。
( B-P 「隊長の手引き」国際版・編集)