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キャンプサイトまで荷物を運ぶ
テントを張るところを踏み固める
部材は直接雪の上に置かない
いつものようにテントを張る
靴の雪はタワシで落とす
手袋のいろいろ
このサイトもみてみましょう。
シュラフもフロアもレイヤード(初年度)
フロアの構成
ブルーシート→グランドシート(フロア)→ダンボール→プチプチシート→銀マット(薄)→銀マット(厚)→リッジレストマット・・・の6層レイヤード
シュラフ
封筒型(コールマン3シーズン)→マミー型(モンベル・タフバック#4)→封筒型(コールマン・3シーズンを広げて掛ける)・・・の3層レイヤード
・・・であったが、フロアはオーバースペックだった。翌年からは、ダンボール→銀マット(薄)→銀マット(厚)を基本とし、それ以上は各自の対応とした。
阿見第1団ベンチャー隊は、なぜか「雪中キャンプ」が好きである。
かつては、カブ+ボーイ隊がスキーを楽しんでいる宿舎の敷地を借りて、雪中キャンプを行っていた。夜になると、おそれを知らないカブたちが、いかにも温かそうな宿舎の廊下の窓を開けてこう曰った。
「寒くないんですかぁ〜?」
ベンチャー
「寒くなんかないよー★☆☀☁☂☃♳⧻(翻訳:見りゃ分かんだろ! 寒いにきまってんだろ!!)」
と顔では笑っていたが、心はこわばり、静かに言い捨てた。怒りで振り回した濡れたタオルはみるみる凍って棒のようになっていった・・・。
その後、ベンチャー隊独自で雪中キャンプを行うようになった。越後湯沢、奥日光、塩原、羽鳥湖、裏磐梯曽原湖、同じく檜原湖、蔵王、赤城山、草津温泉・・・まぁいろいろ行ったなぁ。
しかし、行く先のキャンプ地は、必ずとある条件が満たされている地に限られていた。そう、それは「温泉」。それは何物にも替えられない絶対条件なのである。その理由は・・・雪中キャンプをやればわかる!
さて、そんな、我々だが、その装備は特に冬用のものではない。普段使っているキャンプ用品がほとんどだ。テントも普段使いの3シーズンテント。シュラフだって3シーズン。それに毛布をプラス。まぁ、着るモノだけは冬用のスキーウエアだが。
4シーズンのフルフライのテント? そんなもんいらん! ヘビーデューティのダウンジャケット? あれば嬉しいが、そんなもの高くて買えん!! そんでもって厳冬期用のダウンのシュラフ? そんなもん持っているヤツは・・・う、うらやましいなぁ!!
そもそも冬用の支度をして雪中キャンプをするんであれば、そんなの誰だってできる。我々はスカウトである。「質素」を旨としている。だからこそ「創意工夫」で困難を乗り切っていくのだぁぁぁぁ。(・・・と、むなしく響く・・・)
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さて、村田隊長や石井副長、佐藤副長がベンチャーの頃、よく中島隊長に雪中キャンプに連れて行ってもらった。その最初の雪中キャンプは、裏磐梯の曽原湖の畔だった。
一応、当時のアウトドア雑誌の雪中キャンプの特集を熟読して、揃えられるだけの装備を持っていこうとしたが、7人乗りのデリカに6人が乗って、なおかつ雪中キャンプの装備+個人装備である。そんなに詰めるわけがない。そのため、必要装備以外はほとんど置いていかざるを得なかった。特に遊び関係の用具はほとんど持って行けなかった。
その時の装備は、テントはモンベルのムーンライト7。シュラフはふだん使っている3シーズンのものに毛布かフリース。その上に封筒型のシュラフを広げて掛け布団とした。マットは個人用の厚めの銀マット、その下に広い薄めの銀マット。さらにその下にはダンボールを広げて2段重ねにして敷いた。
雪掻き、雪下ろしはもちろん、雪の中で作業をするときの靴は、これも普段から使っている長靴である。ただし履き口に紐が付いていて、絞ることで隙間から雪が入らないようになっている長靴が一番である。更に防寒使用になっていれば嬉しいが、薄めの靴下の上に厚めの靴下の2枚重ねでもいいだろう。スノーブーツはただ雪上を歩くにはいいが、設営などの作業には全く向いていない。履き口が紐で縛れる長靴に勝るものはない。リーダーご自慢のソレルのブーツも同様作業には向いていない。
服はスキーウエアが一番。防寒と水蒸気の排出の機能があり、そして動きやすい作りのものがいい。
手袋はスキー手袋もいいが、ナンダカンダだと濡れてくる。作業用で濡らさないことが前提であれば、軍手の上にゴム手袋を重ねるのがイチバン。
帽子は基本は毛糸のスキー帽で耳が覆えるもの。活動の時はキャップ+イヤーウォーマー(今はイヤーマフというのだろうか)・・・という出で立ちである。ほとんど普段使いのもので新たに購入はしていない。
この時はソリ(子どもの雪遊び用の赤とか黄色とかのやつ)を持って行けなかったので、運搬は背負って行かなければならなかった。圧雪ではないので、長靴でも膝上まで雪に埋もれ、上部から中に雪が入ってしまう。スパッツは無い。そこで役立ったのがガムテープ。これで長靴とズボンを巻いて隙間をなくした。
このような雪の中を荷物を背負って歩くのは結構辛いことが分かった。そんなわけで翌年からはソリは必須装備の1つとして1人1台持っていった。一応学習能力は持っていたようだ。
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キャンプ地に到着したら、まずテントを張るところを決めて、そこの雪を雪を踏み固める。雪がさらさらだとなかなか固まらない。だがこれをしっかりしておかないと、テントの床が凸凹になって、更にそこで生活しているとその凸凹がますます大きくなって行ってしまうのだ。なので、できるだけ踏み固めなくてはならない。さのときは、全員で肩を組んで掛け声を書けて足踏みをしていくと効率が良いようである。
次にテントを張る。テントの条件は、風に強いことと、積もった雪の重さに耐えられること。またフライシートがテントをすっぽり覆う「フルフライ」タイプの方がいいとは思うが、年間1〜2泊しかしないのであれば全部を覆っていないセミフルフライでもいいだろう。ただし、ポールが2本でクロスになっているだけのヤワな大型テント(例えばコールマンのファミリードームみたいなやつ)はダメ。最低でもサブのポールが2本は欲しいトコロだ。
テントを張るときは、まずブルーシートなどのシートを広げて、その上にテントの部品を置く。雪の上に直接置かないように。ポールの繋ぎ目にも雪が入らないように注意する。指南書によると、繋ぎ目にシリコンスプレーを掛けておかないと、撤収の時に凍りついてとれなくなる・・・とのコトだったが、そのままでも特に問題はなかった。
モノの本によると、グランドシートの下に防水シートを置いてからテントを張る・・・と書いてあった。確かにそれも一理あるなぁとは思うが、ベチャ雪でない限り必要無いかな。そういいながらもしっかり敷いた。
テントの設営については、雪中だからといって特別なテクニックは必要ない。前述のように繋ぎ目に雪をいれないこと=ポールを雪の上に置かないで連結させること、くらいかな。
テントを張ったら、テントの入口のすぐ外側を30cm程の深さに掘って、そこも踏み固めておく。この段差があるおかげで、靴の脱ぎ履きが楽になるし、また、雪をテント内に持ち込むことが少なくなる。テントの入口は、他の季節と同じで、風下にすること。
続いて、テントの裾を雪で覆う。それは裾から風が入らないようにするため。これはフルフライでもセミフライでもしなくてはならない。そしてセミフライの場合は、風上側に雪の壁を作る。そう防風のタメだ。フルフライの場合は必須ではないが、セミフライの場合はこれをするかしないかで、テント内の居住性に大きな影響が出て来る。その理由は、テント本体とフライの間にデッド?エアの層を作って、防寒の役目をさせるのだが、セミフライの場合は風によって暖まった空気がどんどん逃げ出してしまうのだ。そのため、雪で壁を作ってテントの入口を除いた3方向を覆って風がテント本体とフライの間に入り込むのを防ぐのである。雪の壁は、踏み固めて雪をブロック状に切り出して積んでいく。スノーソウという雪用ののこぎりを使って切り出すのだが、コンパネ等で型を作ってそこに雪を詰め込んでブロックを作ってもいいだろう。プラスチックのボックスは使えない。直ぐに割れてしまうし、丈夫で厚めのものを使っても、雪を押し込むと広がってしまい、きっちりとした直方体にならないのだ。水が豊富に使えるのであれば、雪を固める時にジョウロで軽く水をまいてやるといい。積む高さの目安は、風の流れがフライの隙間から入らないような流れとなるまでだ。
豪雪地帯でのキャンプだと、ここで一工夫が必要になる。テントと壁の間に降った雪が溜まるのである。そのため、テントと壁の間に人1人が入って雪を掻き出す作業のできる幅が必要だ。一晩で70cmも雪が降ったらテントが押しつぶされるだろう。そんなに雪が降らないところであれば、テントの裾を覆った雪の山を崩さないように、その外側に30cm程の深さの溝を掘っておくのもいいだろう。フライから落ちた雪はこの溝に溜まるので、これがあるだけで、夜間に起きて除雪作業をする手間が省ける。
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続いて、テント内の生活について触れていこう。
まず、テント内に「雪」を絶対に持ち込まないこと。持ち込んだ雪が溶けるとあらゆるモノを濡らしてしまう。特に服や靴下を濡らしてしまうと、楽しい雪中キャンプが苦痛の雪中キャンプになってしまう。なのて、外で服や帽子についた雪をきれいに払ってからテントに入る。また、靴に雪が付いていてもダメである。雪中キャンプの場合は、靴もテントの中に入れておく。なので、(柄の付いた)たわしやブラシを使って雪をきれいに落としてから、テント内に収納する。
濡らしたものは、干せば乾くハズだが、テントの天井にロフトをつくって、そこに干しても、基本的には乾かない。唯一乾かせる場所は、七輪の上だろう。
さて、テントの床にはダンボールを敷くコトを勧めたが、このダンボールは、できるだけ固めものがいいだろう。荷物を入れて運んできたダンボールをつぶして使うのも手だ。帰るときはガムテープ等で再び箱にすればいい。ダンボールを敷く理由は、床が凹んで沈むことを防ぐため。座っていたり、寝ていると体重と体温でその部分の床が凹んでくる。凹んでいると水が溜まったり、テーブルを置いたときに脚のバランスがとりにくくなる。また、歩く時に不用意に凹みを足を入れてしまうことで、バランスを崩し、転倒・捻挫。テントの破壊等に繋がる恐れが出て来るためだが、ちょうどおしりの下辺りがおしりのカープに沿って凹んで、上質のマットレスのようにナイスフィットするという点ではなかなか良かったりする。
寒さは、身体のどこが冷えると寒く感じるのか・・・人によっても違うと思うが、多くは足先が冷えると、なかなか身体が温まらないと言われている。そのため、テントシューズを履くといいかも。テントシューズじゃなくても、厚手の靴下を重ね履きすればいいだろうと素人は思ってしまうのだが、重ね履きの締め付けによって、血行が悪くなり、かえって足が冷えることになるということも覚えておこう。それから、靴下のつま先部分に乾燥させた唐辛子を入れるといい・・・とも聞くが、やったことはない。炎症を起こさないんだろうか・・・。また、寝るときは湯たんぽを入れるといいだろう。翌朝の飲み水になるし。だからと言って、「湯たんぽ」そのものを買って持ってこないように。タダでさえ装備が多くてたいへんなのだから。そんなときは、そう「創意工夫」。ボーイスカウトの2つ目のモットーだ。創意工夫によって荷物を減らすコトを考えましょうね。
湯たんぽは、昔ながらの金属製水筒を使えるといいんだけど、最近なかなか見かけなくなった。耐熱性のペットボトルの場合、キズや凹みがあるものは使わない、85℃以上のお湯は使わないを必ず守ろう。また、火傷しないようにタオルを巻くときは、巻いたタオルが取れないように紐やゴムでしっかり巻いて留める等の対策をしよう。ペットボトルは、基本的にリユースを考えないで作られているので、湯たんぽとしては推奨しないよ。
それから、飲み物を飲んで体の中から温める方法もある。よく飲まれているのがココア。温めてアルコールを飛ばしたホットワインもいいらしい。アルコール類は結果として体を冷やし、トイレの近くなるとのことだ。
新聞紙も必需品。なんと水を吸収するために使うのだ。1枚を広げて、長い辺を軽く丸めて、軽くねじって、テントの床と壁の継ぎ目(角)の全周に置いておく。テントの中に入り込む水は、前述の持ち込んだ雪のほかに、テントの内側に着いた結露が溶けて落ちてくるものもある。
結露は、我々の息に含まれている水蒸気により発生するので防ぎようがない。雪中キャンプは寒いので、他の季節よりも多くの人数が密集してテントに寝たりするので、余計に水蒸気が発生するのだ。寒くても換気窓はしっかり開けて寝るように。
ちなみに、我々は、体を温めるためによく「キムチ鍋」を食べる。もちろんテントの中にコンロを持ち込んで煮込むのである。その是非は別に論じるとして、翌朝舞い落ちる結露の雪は、何故かオレンジがかっているのだ。もちろん、そのテントはしばらくの間キムチ臭いテントとなる。
テント内のコンロ使用の話が出たので、ついでに話をしておこう。
原則は、テント内での火気使用は禁止である。夏だろうが、冬だろうがそれに変わりはない。それでも使わなければならない時も出て来る。そんな時には十分な換気をすること。テント内の火気使用で怖いのは、テントを燃やしてしまうことと「一酸化炭素&二酸化炭素」の大量発生だ。一酸化炭素は不完全燃焼や酸素不足の状態での燃焼で発生するが、二酸化炭素は完全燃焼で発生する。
今のテントはほとんどが難燃加工されていて燃えにくくなっている。阿見1のテント、モンベルのムーンライトはちゃんと難燃加工されているのでまずは安心。他のテントは・・・知らない。
一酸化炭素は血液と結びつくことにより、酸素が運ばれず脳への酸素不足をきたす。血液が酸素と結びつく力より、一酸化炭素と結びつく力がはるかに大きいために生じる中毒だ。
二酸化炭素は血液と結びつかないので中毒はおこらないし、人体には無害だ。しかし、二酸化炭素濃度が大きく酸素が少ない空気中では、酸素欠乏症をきたし、呼吸困難になってしまう。空気中の二酸化炭素濃度は通常0.3%くらいだが、酸素が十分にあっても、二酸化炭素が10%くらいになると意識がなくなり、30%くらいになると死に至る・・・。つまり、必要十分な換気が担保できなければ、テント内の火気使用は不可である。また、無雪期では起こらないこと、例えば夜間の積雪等により換気口等の換気能力が低下する危険も考えなくてはならない。
で、雪中キャンプ生活のハナシを続けよう。
一番の問題は、トイレだ。近くにトイレがあるならば問題はない。トイレが遠かったり、無かったり・・・・もある。無いときはやむを得ず作る。「小」の方は場所を決めておき、必ずそこでする。「大」の方はしっかり作らなければならない。なるべく雪の深いところ(1〜1.5m程)に縦穴を地面まで掘って、更に地面を掘ってそこで用をたすのである。縦穴の上にはブルーシートをかけて屋根にする。「大」穴の後方に直角になるように階段をつくっておく(余裕があれば、階段も途中でくの字に曲げておく)。おシリを出している時は無防備である。雪上を吹いてきた風が直接当たると「ひっ、ひぇぇぇ〜!」となるのだ。拭いたトイペは小さなビニール袋に入れ、更にジップロック袋に入れて持ち帰る。階段の入口には、バンダナを付けた棒を刺しておく(それに加えて夜用に、100均で売っているLEDランタンも入口に下げておこう)。この旗竿は、使用する時はそれを持ってトイレに入るのだ。旗がないときは使用中って印になる。夜はランタンの光で安心して用がたせる。
夜間にトイレに行く時には、懐中電灯やヘッドライトが不可欠だ。寒くて暗い中でライトを探すのはタイヘン。特に眼鏡をかけている者にとっては。そんなときは、小さなトートバッグ(ビール6本を買うとおまけで付いてくるバッグのような)に入れて他の必要なものと一緒に枕元に置いておくか、小さなスタッフバッグに入れてシュラフのまくらの下にいれておく。また、眼鏡をかけている人は、寝る時は、間違って踏まれても大丈夫なようにハードケースに入れてトートバッグやスタッフバッグに入れることを忘れないように。コンタクトレンズの使用者は、装着取り外しに適した場所はないので、眼鏡は持っていった方がいいかな。
出入りするためには、服を着て、靴を履いて・・・も伴うので、テント内側の入口の前は大きく空けておきたい。
それと、夜吹雪いていたら、たった10mでもテントを見失うことがある。そのため、我々はコールマンのランタンを一晩中テントの外に灯すことにした。
そうそう、シュラフのハナシをしなくては。今後、本気で冬山登山をするのであれば、冬用のシュラフを買ってもいいだろう。しかし、スカウトは、年に1回程度の雪中キャンプしかしないだろうし、それを避難できる建物の近くでするあれば、3シーズン用のシュラフを創意工夫して使い、その実践の場としよう。もちろん事前にその効果の検証をしておくことが大切だ。リーダーになって、経済力もついて&何度も冬のキャンプをするようになってから、冬用のシュラフを買うことを勧める。
では、どうしてシュラフは温かいのかを考えてみよう。
それは身体の周囲に動かない空気の層(デッドエアという)があり、それが体温で温められ、シュラフのフィル(中の詰め物・中綿)のデッドエアが断熱層となって、外気からの冷えを防いでくれるからだ。このデッドエアの層が大きければ(厚ければ)温かく、薄かったり、流動してしまうと寒いのである。羽毛のシュラフがいいと言われているのは、羽毛にはダウンとフェザーがあり、フェザーは弾力がありそれで厚さを稼ぎ、細かいダウンでデッドエアをため込む。そしてそれらはたいへん軽くて、押し縮めればとても小さくなり、嵩張らないといった、うってつけの素材だからだ。(詳しくはこのサイトを見て見よう)
冬期のキャンプでは、いかにデッドエアを大量に温められるか、暖まったデッドエアを逃がさないか、そして冷やさないようにも更にもう一つの層のデッドエアを貯めるかを考えることで、冬用シュラフでなくても対応できるようになる。
ちなみに熱伝導率は、固体→液体→気体の順に低くなる。熱伝導率が低いということは熱が伝わりにくいということ。
シュラフで寝る時に関わるデッドエアは2つある。1つはシュラフそのもののフィル(詰め物・中綿)にあるデッドエア。もう一つは、身体の表面とシュラフの内側との間のデッドエアだ。シュラフのフィルは外気と接しているので、厚さが厚いほど(デッドエアが多いほど)断熱効果は高いが、ほのかに温められたは空気は多少なりとも熱伝導でシュラフの表面から逃げていってしまうのは構造上やむを得ない。なので、冬用のシュラフは、二重構造となっているものが多い。次に体表とシュラフの間のデットエアについてみていこう。身体と接しているので、一番暖かさを感じるのはこの部分のデッドエアだ。だからそれを逃がさないために、冬用にシュラフは「マミー型」がほとんどだ。フードの部分を紐でぎゅっと締めて、目と鼻と口だけを出せるようになっている。冬山や厳冬期用のモノになると、首の周りにもフィルの入ったチューブ状のものがあって、さらに体からの熱を逃がさないようになっている。封筒型には冬用が無いことはないが、ほとんどがマミー型なのはそれが理由だ。
一番温かいデッドエアが体表に接する周囲のものだとすると、その温度を保つことを考えれば温かく寝られわけだ。空気を暖めるのだから、その温める量が少ない方が早く暖まる。外の層に行くにしたがって、デッドエアの温度が下がるのであれば、2層よりも3層、そしてそれぞれのデッドエアの層を厚くした方が、体表に接するのデッドエアの温度低下は少なくなる。
ということは、身体の回りに毛布やフリースのブランケットを巻けば、そこには薄いけれども1つのデッドエアの層ができる。つまり大量の余計な空気を温めなくていいということ。だから、身体を包み込める大きさの毛布やフリースを持っていこう。同様の働きをするシュラフ用のウォームアップシーツというものもある。同様の機能をシュラフそのものに持たせているのが、モンベルのシュラフに採用されているストレッチシステムだ。これは、収縮性のある素材とゴムの力で身体にフィットし、また身体の動きに追従するため窮屈感が無く、さらに空気が自由に行き来できる隙間がほとんどないため高い保温率を保つというもの。
このようなデッドエアのシステムをきちんと理解していれば雪中キャンプでも耐寒キャンプでも温かくねることができる。また、そのシステムがきちんとできていれば、寝るときは、厚着をしないで、薄着(下着)のまま寝た方がよく眠れる。寒いからといって服を重ね着したり、厚着したりすると寝苦しくてしょうがない。
毛布やフリース、ウォームシーツが暖かいのはもうひとつ理由がある。いずれも「起毛」素材、すなわち表面が毛羽立っているということ。その毛と毛の間の空気がデッドエアとなり、その薄いデッドエアが直ぐに体温によって温められるから、より温かいのである。
このように、シュラフのフィルは「断熱層」、シュラフと身体と間の空気は「保温層」ということができる。この2つがあるから温かいのである。保温層だけでは温かくない。その理由は、ただのマグカップと真空二重構造のサーモマグを思い浮かべてもらいたい。熱には熱平衡とよばれる性質がある。それは、異なる物質の温度を均一にしようとする性質だ。例えばお湯が冷めるというのは熱が外に移動するわけでこの熱均衡にあたる。陶器や金属のマグカップよりサーモマグのお湯が冷めにくいのは、真空の層が断熱層があるからだ。これと同じ状態をシュラフで再現すれは、温かく、熱が冷めにくくなるというワケだ。
また、せっかく温かいシステムを作っても、温かく感じられない時がある。それは汗をかいたままの服でシュラフに入る場合だ。それは何故か。汗は何のためにかくモノかを考えれば分かるだろう。気化熱によって体温を下げるためだ。つまり、せっかく温かく眠りたいのに、汗でしめった下着を来ていたら、それが蒸発するときに気化熱を奪う→それによって体表温度が下がる→だから寒いのである。なので、寝る前には下着を乾いたものに取り替えるということが大切なのである。
雪中キャンプ
-20℃でタラリラッタ、リッタラッタ、ラッタッタァ!
第1話 雪の世界を甘く見た我々阿見1ベンチャー隊。
なんとか敗退は免れたが・・・。